「最近やる気が出ない」「何をしても疲れが取れない」「気分が落ち込んでいる」
——うつ病の治療を続けているのになかなか改善しない方の中に、甲状腺機能低下症が隠れているケースがあります。
橋本病とはどんな病気か
橋本病(慢性甲状腺炎)は自己免疫疾患のひとつです。
免疫の異常により自分の甲状腺が攻撃されてしまうことで慢性的な炎症が生じ、甲状腺の組織が少しずつ壊れていきます。甲状腺ホルモンが作れないほど組織が壊されると甲状腺機能低下症となり、補充療法が必要になります。成人女性の10人に1人にみられ、男性に比べて女性に多い病気です。
なぜ「うつ」と間違われやすいのか
甲状腺機能低下症では以下のような症状が現れます。これらはうつ病の症状と非常によく似ています。
- 無気力・やる気が出ない
- 気分が落ち込む・憂うつになる
- 集中力・記憶力の低下
- 何をしてもだるい・疲れが取れない
- 不眠・睡眠の質が低下する
うつ病と診断されて治療を続けているにもかかわらず改善しない場合、甲状腺機能の検査が行われていないケースがあります。
うつ病と区別するための身体症状のヒント
甲状腺機能低下症には、うつ病では説明しにくい身体症状が伴うことが多いです。以下に心当たりがある場合は甲状腺の検査をお勧めします。
- むくみ(特に顔や手足)
- 寒がりになった・体温が低い
- 食欲がないのに体重が増えた
- 便秘が続いている
- 声がかすれてきた
- コレステロール値が高くなった
- 月経過多・月経不順
診断はシンプルです
血液検査で甲状腺ホルモン(FT3・FT4・TSH)と甲状腺自己抗体(抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体)を測定することで診断できます。うるうクリニック港南台では甲状腺ホルモンの院内迅速検査が可能で、受診当日にエコー検査も実施できます。採血→エコー→結果説明をまとめて受けていただけます。
治療について
甲状腺機能が正常な場合
治療の必要はありません。定期的な血液検査で経過を観察します。
甲状腺機能低下になった場合
チラーヂンS(甲状腺ホルモン製剤)を内服して補充します。適切な量を服用することで、倦怠感・むくみ・気分の落ち込みなどの症状が改善していきます。
医師紹介(監修)
長田 潤 先生
うるうクリニック統括院長
長田 潤 先生
うるうクリニック統括院長
うつ症状だと思っていたら、実はホルモンの異常だったというケースは少なくありません。特に身体症状(むくみ・寒がり・体重増加)が伴う場合は、まず甲状腺の検査を受けることをお勧めします。