「血圧が高めですね」と言われても、すぐに薬を飲むことに抵抗がある方も多いのではないでしょうか。緊急に下げる必要がない場合は、まず生活習慣の改善から取り組むことが推奨されています。
なぜ生活習慣の改善が大事か
高血圧の原因の多くは、塩分過多・運動不足・肥満・喫煙・飲酒といった生活習慣にあります。これらを改善することで、薬を使わずに治療目標を達成できる方も少なくありません。薬を飲んでいる方も生活習慣を改善することで、薬の量を減らせる可能性があります。
①塩分を減らす
日本高血圧学会は1日6g未満の塩分摂取を推奨しています。日本人の平均摂取量は10g前後のため、まずは塩分を意識することが重要です。
減塩のポイント
- 調味料は「かける」より「つける」
- だし・酢・香辛料を活用して塩分を減らしても満足感を出す
- 加工食品・外食・インスタント食品には隠れた塩分が多い
- 醤油・みそ・漬け物・塩蔵品は特に注意
②カリウムを積極的に摂る
カリウムはナトリウム(塩分)の排出を助け、血圧を下げる効果があります。野菜・果物・豆類・芋類に多く含まれています。腎臓病のある方は摂りすぎに注意が必要なので、主治医に確認してください。
③運動を習慣にする
有酸素運動(ウォーキング・水泳・自転車など)を継続することで血圧が下がることが示されています。目安は1日30分・週5日程度ですが、毎日10分のウォーキングから始めても効果があります。筋力トレーニングも組み合わせると効果的です。
④禁煙・節酒
禁煙
喫煙は血管を収縮させ血圧を上昇させます。慢性的な喫煙は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞・脳卒中のリスクを大幅に上げます。降圧薬を飲んでいる方も、喫煙を続けていると効果が出にくくなります。
節酒
アルコールの過剰摂取は血圧を上昇させます。男性は1日ビール中瓶1本・日本酒1合・ワイン2杯程度、女性はその半分程度が目安です。
⑤家庭血圧を測る習慣をつける
病院での測定は「白衣高血圧」(病院だと緊張して高くなる現象)があり、実態を反映しないことがあります。家庭血圧の方が将来の臓器障害や心疾患の発症とより強く関連することが分かっています。
家庭血圧の測り方
- 起床後1時間以内・排尿後・朝食前・降圧薬服用前に測定
- 就寝前にも測定
- 1日2回・各1〜2回測定し記録する
それでも下がらない場合は
生活習慣を改善しても治療目標を達成できない場合は薬物療法が推奨されます。カルシウム拮抗薬・ARB・ACE阻害薬・利尿薬・β遮断薬の5種類を患者さんの病態に合わせて処方します。「薬を飲み続けるのが不安」という気持ちは自然なことです。薬の必要性・種類・量については一緒に考えていきます。
医師紹介(監修)
長田 潤 先生
うるうクリニック統括院長
長田 潤 先生
うるうクリニック統括院長
高血圧は自覚症状がないまま血管を傷め続けます。薬を使う前に、まず生活習慣の改善に取り組んでみてください。それでも改善しない場合は遠慮なくご相談ください。