甲状腺ホルモン薬を飲んでいると、「朝食前でなければだめ?」「今日飲んだか分からない」「サプリと一緒でよい?」と迷うことがあります。
服薬には基本的な考え方がありますが、すべての人に同じ方法が合うわけではありません。仕事や育児、介護、ほかの薬の時間も含めて、無理なく続けられる方法を決めることが大切です。
なお、この記事で扱うのは、主にレボチロキシンなどの甲状腺ホルモン薬です。バセドウ病に使う薬など、ほかの甲状腺薬には同じ説明が当てはまりません。
大切なのは「毎日なるべく同じ条件」
甲状腺ホルモン薬は、食事や一部の薬・サプリによって体への取り込まれ方が変わることがあります。そのため、処方された飲み方を守り、できるだけ同じ時間帯、同じ条件で続けることが基本です。
「完璧な時間に飲めなかったから、もう意味がない」ということではありません。飲み方が日によって大きく変わると検査値を読みづらくなります。起床後の歯磨き、薬箱、スマートフォンの通知など、普段の動作と服薬を結びつける方法があります。
食事やサプリと一緒に飲んでよい?
食事のほか、鉄やカルシウムを含む薬・サプリ、一部の胃薬などは、レボチロキシンの吸収に影響することがあります。健康食品や市販薬も含め、使用しているものはお薬手帳にまとめておくと確認しやすくなります。
必要な間隔は、薬や製品、処方内容によって異なります。鉄やカルシウムを自己判断で中止する必要はありません。お薬手帳や製品名が分かるものがあれば、次回診察時に飲むタイミングを整理します。
飲み忘れたことに気づいたら
飲み忘れへの対応は、気づいた時刻、普段の量、ほかの病気や薬によって変わります。自己判断で数日分をまとめて飲まず、「忘れたときはどうするか」をあらかじめ処方時に取り決めておくと迷いが減ります。
「飲んだかどうか分からない」が起きやすい方は、1週間分の薬ケース、服薬チェック表、薬袋への印などを使うと、服用済みかどうかを確認しやすくなります。
服用条件が変わったとき
次のような変化は、薬の効き方や必要量を判断する材料です。次回診察時に確認します。
- 飲む時刻や食事との間隔が変わった
- 新しい薬、市販薬、サプリを始めた、またはやめた
- 妊娠した、または妊娠を希望している
- 動悸、手の震え、強いだるさなど、気になる体調変化がある
- 薬が余る、または足りなくなることが続いている
毎日を詳しく記録する必要はありません。変わった日と内容を短くメモするだけでも、状況を共有しやすくなります。
飲み忘れや服用時間のずれは珍しくありません。いつ、どの程度ずれたかが分かれば、検査値や処方量を判断しやすくなります。
医師紹介(監修)
長田 潤 先生
うるうクリニック統括院長
甲状腺の診療について
甲状腺の病気や検査、当院で行っている診療については、甲状腺の診療案内をご覧ください。
甲状腺ホルモン薬では、服用時刻、食事、併用薬・サプリの条件が検査値の解釈に関わります。診察では、生活上続けやすい服用方法になっているかも確認します。