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2型糖尿病

2型糖尿病の病態

糖尿病の多くのタイプが2型糖尿病です。糖尿病になりやすい遺伝的な体質に、肥満や運動不足などの生活習慣が加わって高血糖になります。遺伝的体質による影響が強い場合もあり、非常に個人差が大きいため、当院では生活習慣病という言い方はしません。

そもそも、インスリンは肝臓、筋肉、脂肪細胞など多くの臓器・組織に作用して、血糖を取り込ませたり、貯蔵した血糖を分解するのを抑えたりして血糖値を絶妙にコントロールしています。この作用が不足すると高血糖になります。2型糖尿病におけるインスリンの作用不足は、「インスリン分泌障害」と「インスリン抵抗性」の2つの組み合わせによって起こります。

2型糖尿病では、肥満や筋肉不足、脂肪肝などが各組織でインスリン抵抗性を引き起こして高血糖の原因になります。食事・運動療法で肥満や筋肉不足を解消しながら、必要に応じてインスリン抵抗性改善薬を併用するのが肝要です。しかし、基本的にはインスリン分泌障害が背景にあります。健康な人ではインスリンは食事摂取とほぼ同時にインスリンの追加分泌が始まり、血糖は食後もほぼ横ばいに推移しますが、2型糖尿病の前段階~初期では、食事摂取後のインスリン分泌の立ち上がり遅く、その後ダラダラと出続けてしまうのが特徴です(遅延過剰分泌)。さらにインスリンの分泌障害が進むと、追加分泌のピークが落ちてきて、食後の血糖値が上昇してきます。しかし、この時点では食前の血糖値はまだ正常範囲のため、空腹時採血しかやらない健康診断では、異常が見つかりません。より早期に糖尿病を発見するためには、糖負荷試験をやる必要があります。

糖尿病が発症した後、個人差はありますが、インスリン分泌障害はさらに進みます。食事とは無関係に分泌されるインスリン(基礎分泌)まで低下してしまうと、空腹時血糖も高くなり、健診で発見されることになります。

2型糖尿病の治療

2型糖尿病の治療の基本は食事運動療法ですが、インスリン作用不足の原因を分析して、必要な薬物療法を見極めることも大事です。とくに、インスリン分泌障害の程度をよく把握し、インスリン補充療法の必要な時期を見逃さないことが大事です。当院では、血液検査でインスリンの分泌障害の程度を定期的に追っていきます。

インスリン注射は一昔前と比べて、各段に進歩しました。また、インスリンの分泌障害が軽度であれば、週1回のGLP1アナログ注射や内服薬といったやり方もあります。患者さんそれぞれのライフスタイルや希望に合わせた製剤や、レジメン(薬のメニュー)を考えていくことができますので相談しましょう。

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