【コレステロールの薬、使われていない?】心筋梗塞や脳卒中を防ぐチャンスを逃しているかもしれません
こんにちは。毎日猛暑が続きますね。みなさん熱中症に気をつけてお過ごしください。
さて、今日はとっても久しぶりにブログをアップします。
今回はアメリカで発表された最新の研究結果をご紹介します。
テーマは「コレステロールを下げる薬(スタチンなど)の使われ方」について。
せっかくの予防のチャンスが…?
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、心臓や血管の病気を予防するはずのコレステロールの薬が、実は必要な人の多くに使われていないという事実が明らかになりました。
たとえば、まだ心筋梗塞や脳卒中を起こしていない人でも、ガイドラインに沿って治療すれば将来の発症をかなり防げることが分かっています。
それにもかかわらず、本来は薬を使ったほうがよいとされる人のうち、実際に使っていたのはたった23%。
また、すでに心臓病を経験した人(再発予防が必要な方)でさえ、治療を受けていたのは68%にとどまりました。
治療していれば防げたかもしれないこと
研究チームは、もしガイドラインどおりに治療されていれば、アメリカ全体で年間どれくらいの重大な病気を防げたかを試算しました。
その結果
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心筋梗塞:約9万6千件
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脳卒中:約6万5千件
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心臓のバイパス手術やステント治療:約8万7千件
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心疾患による死亡:約4万件
これだけの命や健康が、守れたかもしれないのです。
治療は「怖い病気」を遠ざける力になる
コレステロール値が高いと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることは広く知られています。でも、「薬を飲むほどじゃない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、コレステロールの薬(スタチンなど)は、きちんと使えばとても効果的な予防策です。副作用が心配な方もいらっしゃると思いますが、医師と相談しながら、体に合った形で治療を進めることが大切です。
よくある質「コレステロールの薬って、一度飲み始めたら一生やめられないんですか?」
そんなことはありません。
コレステロールの薬(スタチンなど)は、一生続けなければいけない薬ではありませんが、長く続けた方がメリットが大きいことが多い薬です。
血管は年齢とともに少しずつ動脈硬化が進んでいきます。コレステロールの薬は、LDLコレステロールを下げることで、確実に動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を防ぐ力があります。
ですから、以下のような考え方が大切です
治療を続けるかどうかは、定期的に見直せます。
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生活習慣(食事・運動)で改善した場合は、薬を減らせたり、やめられる可能性もあります。
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もともとのリスク(糖尿病・高血圧・喫煙歴など)が高い方は、薬を続ける方が安心です。
つまり、「飲み始めたら一生やめられない」わけではなく、定期的に相談しながら調整できる薬です。
「やめるために始める」という考え方もアリです
一度しっかり数値を改善し、生活を立て直してから、徐々に薬を減らしていく。
そんなステップも可能です。
当院では、「将来的に薬を減らせるように一緒にがんばりましょう」と、前向きな気持ちで治療に取り組めるようサポートしています。
まとめ
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薬は一生のものとは限りません
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状態が良くなれば減薬・中止も可能です
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目的は「一生薬を飲まないこと」ではなく、「一生健康でいられること」です
「まだ何も症状がないから大丈夫」と思っているうちに、病気が静かに進んでしまうことがあります。
特に、高血圧・糖尿病・脂質異常症の三つは、気づかないうちに動脈硬化を進行させるサイレントキラーです。だからこそ、予防がとても大切。ぜひご相談ください。
参考:
- 糖尿病リソースガイド
- Tens of Thousands of Heart Attacks and Strokes Could Be Avoided Each Year if Cholesterol-Lowering Drugs Were Used According to Guidelines (ジョンズ ホプキンス大学 2025年6月30日)
